384.神風(星はる)
「神風、吹かせてやろうか?」
「は?」
「明日。コンサートのチケット貰った礼に」
「……コンサートなんて言い方、止めてくんないかな。オレ達がやるのは、ライブだ」
「どう違うんだ?」
「……言葉の、響きが」
「へぇ」
「興味なさそうだな」
「お前に興味なんて無いからな」
「……じゃあ何でチケット欲しがったんだよ」
「ほたると、そのお友達ご一行様がお前達に興味があるそうだ」
「へぇ」
「お前達、だ。お前じゃない」
「知らないのか? オレ、ライツの中じゃ一番人気なんだぜ?」
「……センターなのに人気取れなかったらそれこそ問題だろ」
「まぁ、そりゃあ、そうだけど。って。それってオレの人気がセンターだからってことになってねぇ?」
「違うのか?」
「……さぁ? オレは地球人じゃないし」
「ふ」
「っに笑ってんだよ!」
「別に」
「てか、別に明日は何かと戦うわけじゃねぇんだから、神風なんて要らないからな」
「残念だ。僕なら、本当に風を起こせるんだけど」
「だからそれがいらねぇつってんだよ。大体、野外のライブで強風なんて呼ばれた日には、ライブ中止になるだろ?」
「それは困るな。僕は構わないけど、ほたるたちが哀しむ」
「だろ? だから、そうだな。礼がしたいなら、そよ風程度にしとけよ」
「別に特に礼がしたいわけじゃない」
「あ、そ。……ってか、しろよ、お前!」
(2010/05/05)
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