388.大人気ない(はるみち)
「はるか。大人気ないわ。あんな、ムキになって」
「大人気ない?僕がか?」
「他に誰がいるのというの? あんなに星野さんに食って掛かって」
「退屈しないって言ってたじゃないか」
「それは……そうだけれど。この頃は、度を越えているわ」
「ったく。大人気ないのはどっちだよ」
「え?」
「そうやって。……僕がいちいちアイツに突っ掛かるのが気に食わないんだろ?」
「そんなことは……」
「そういうことだよ。そう、確かにそうだな。アイツが目の前にいると、つい、君の事を忘れがちになる。アイツが何をしていようと、僕たちには関係ないはずなのにな」
「別に私は」
「だからって。そういう遠まわしな言い方は、ちょっと大人気ないと思うぜ? 嫌なら嫌だってはっきり言ってくれればいいのにさ」
「……私は」
「っと。そんな顔するなよ。……みちる。ごめん。僕が悪かった。もうアイツにつっかからないから。な?」
「本当に?」
「みちる。僕が今まで君に嘘をついたことある?」
「嘘ばっかりよ」
「……えーっと」
(2010/04/18)
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