394.笑うセールスレディ(周由美)
「…………」
「どうしたの? 周助」
「……いや。姉さん、綺麗だなと思って」
「そんなこと言って。何もでないわよ?」
「うん。別に、要らないけど。……でも、今の姉さんからなら、何を出されても、僕、買っちゃうかも知れないな」
「どういう意味?」
「綺麗だよ、ほんと。騙されてもいいって思えるくらいに」
「もう。人を詐欺師みたいに言って」
「それでもいいんじゃないかな。いや、駄目だ。そんな、姉さんが知らない男の人とだなんて」
「弟との方がもっと駄目だと思うわ」
「……じゃあ、僕との関係、止める?」
「拗ねてるの? 周助は駄目だからこそ燃えるんだと思ってたけど」
「……何でもお見通しってわけだ」
「何でもじゃないわ」
「……結婚詐欺は駄目だけど、セールスレディならいいかな」
「悪徳商法?」
「そう。姉さんの呪いグッズを売りつける」
「それは駄目ね」
「どうして?」
「効果があるからよ。悪徳にならないわ」
「……なるほど、ね」
(2010/05/18)
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