396.踊る白鳥の湖(不二跡)
「どうだ?」
「……どうって言われても。まさか君がバレエまでやってるとは思わなかったから」
「美しい姿勢を保つためにはバレエが一番いいんだ。不二。お前も一度やってみれば分かる」
「僕は、いいよ。遠慮しとく」
「レッスン料は俺様が出してやるよ」
「いや、そういうのじゃなくて。なんていうか、その。まぁ、見てる分には君のレオタード姿はそそるけど。それを僕が着るのは」
「それはどういう意味だよ」
「まぁ、なんていうかね。僕は観客でいいよ」
「……じゃあこういうのはどうだ? お前が男役で俺様が女役をやってやる」
「それはいつものことじゃない」
「バカ。ベッドでの話じゃねぇ。バレエの話だ」
「……僕が君を持ち上げるの?」
「じゃあお前は、俺様がどっかの知らない女を持ち上げてもいいと思ってるのか?」
「別に構わないけど」
「あーん?」
「だってそれくらいで跡部の気持ちは揺るがないでしょう? だったら別に」
「相手の女がその気になるかも知れねぇだろ」
「で、なに。跡部が襲われるの?」
「……てめぇ」
「冗談だよ。でも跡部はさ、ほら」
「っ」
「どうせ僕が相手じゃないとたたないでしょう?」
「お前、どこ触ってんだよ」
「どこって。分からない? じゃあ分かるようにもっと触ってあげようか?」
「っざけんな。離しやがれ!」
「あはははは」
(2010/05/13)
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