402.ドーナツ化現象(みちる&エルザ) |
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「……ドーナツ化現象」 「えっ?」 「さながらうちの(学校の)ベンチはベッドタウンね」 「…………」 「みちるは行かなくていいの? あの人の所」 「今はエルザがいるもの」 「今は、ね」 「あっ」 「でも本当は、今行っても迷惑になるだけだからとか思ってるんでしょ?」 「それは……」 「初めてみちるを紹介した時の態度に一時はどうなるかと思ったけど。今はあいつ、フリークの子よりもみちるを優先するもんね」 「そんなことは」 「あるから、行かないんでしょ?」 「…………」 「でもさ、だったら尚更、今行った方がいいんじゃない?」 「どうして?」 「ほら、あいつの顔。営業スマイルに疲れてきたって書いてある」 「……どうしてエルザはそんなことが分かるの?」 「ちょっと、みちる。変な誤解しないでよ。……なんていうのかな。第三者には分かるのよね。みちるは、いいや、多分天王さんすら気付いてないだろうけど」 「何のこと?」 「教えない」 「意地悪ね」 「そうね」 「否定しないのね」 「意地悪してる自覚あるもの」 「もうっ、エルザったら」 「ほらほら、私に怒ってる暇があるなら、あの人の所に行きなよ。いい加減救い出してあげないと、次の準決勝に支障が出るよ? ま、私はその方がありがたいけど」 「嘘ばっかり。ちゃんと勝負して勝ちたいくせに」 「あ。分かった?」 「大丈夫よ。はるかはあれくらいじゃ揺るがないから」 「とかいって。じゃあどうして立ち上がってるのかな?」 「それは、エルザが……」 「冗談よ。ほら、行ってきな」 「ええ。……ありがとう」 |
(2010/06/04) |
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