403.俺の屍を越えてゆけ(蔵黄泉)
「蔵馬」
「どけ」
「行かないでくれっ」
「……情けない奴だな。お前は国王ではなくなったかもしれないが、仮にも父親なんだ。もう少し――」
「俺は父親ではない」
「は?」
「俺は、母親だ」
「……?」
「そして父親は、お前だ。蔵馬」
「ふざけるな。貴様、死にたいのか?」
「子供の教育には良好な家庭環境が必要だ」
「聞いてるのか、黄泉」
「だから、頼む。帰らないでくれぇっ」
「断る」
「……しょうがないな。どうしても人間界に帰るというのなら。俺の屍を越え……ゲフ」
「修羅のためだ。せめて殺さないでおいてやる」
「ううっ。蔵馬……」
(2010/05/06)
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