412.エネルギッシュ(不二タカ)
「へい、次の球、カモーン!」

「元気だなぁ、タカさん。こんな炎天下だってのにさ」
「うん」
「ほら、球出ししてる二年なんかもうフラフラじゃんか」
「うん」
「ラケット持つとなんていうか、エネルギッシュっていうか。ほんと、元気だよなぁ」
「うん」
「……不二? どったの?」
「うん。……英二。ちょっとごめん」
「えっ? あ。うん。いいけど」

「ターカーさんっ」
「おう! なんだ? フジコちゃん」
「ラケット没収」
「えっ? あ。不二。何?」
「疲れてるでしょ?」
「そんなこと」
「バーニングになって上手く誤魔化してるみたいだけど。僕の目は、誤魔化せないよ?」
「……少し、暑いくらいだよ」
「脱水症状、起こしかけてるんじゃない? 汗の量が半端じゃないよ。……ゴメン、球出しもういいから。休憩行って!」
「え。あ、おい、不二。オレは大丈夫だって」
「30分でいいから。水分とって休んで?」
「……けど」
「僕からのお願い。駄目かな?」
「……分かったよ。休憩するから。だからちょっと、不二。近い、から」
「そうだね。ここじゃみんなの目があるし」
「そうじゃなくってさ」
「とりあえず、あそこの木陰に行こう? 大丈夫。警戒しなくたって、学校じゃ何もしないから。バーニングしてるタカさんと違って」
「それはもう言わない約束だろ?」
「そうだっけ? まあ、いいじゃない。ほら。行こう?」
(2010/05/09)
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