414.貧乏神(蔵飛&桑原)
「蔵馬オメー、こんな狭い部屋に住んでんの?」
「ええ、まあ」
「だってよ、オメー、会社でそれなりの役職についてんだろ?」
「まぁ、義父が社長ですから。コネで、ね」
「コネ抜きにしてもいいとこいけるだろ。オメーの頭なら。外面もいいしよ」
「外面、だけ?」
「え。いや、まぁ。まぁ、そう怖ぇ顔すんなよ。そんなんだから、外面はなんていわれんだよ」
「言ってるのは桑原くんだけですけどね」
「嘘だろ」
「本当です。他の人には表か裏か。そのどちらかしか見せてないですから」
「……喜んでいいのか?」
「さぁ?」
「……にしても。ほんと、なんか、イメージと違うな。引っ越したっつーからさ、なんかもっと……。まぁ、1人暮らしにゃ丁度いいのかもしんねぇけど」
「独り暮らしじゃないですよ」
「あ?」
「一応、ふたり暮らし。だから家を出たんですよ」
「誰。女か?」
「……貧乏神、かな」
「へ?」
「誰が貧乏神だ」
「飛影!オメーなんで……って。え?あ。もしかして!」
「そう。飛影と一緒に住んでるんです」
「飛影、オメーは魔界に住んでるんじゃなかったのか?」
「パトロールに飽きたときの避難所って所ですかね。オレの部屋は。まぁ、オレとしては一緒に暮らしてるつもりなんですが」
「フン。くだらん」
「で?これの何処が貧乏神なんだ?」
「合鍵を渡しても窓から入ってくるのでね。たまに鍵を忘れていると、割られるんですよ。後は、ほら。ああやって」
「何だ?」
「冷蔵庫の中のものを勝手に漁る。あの小さな体の何処にそれだけのものが入るのか、飛影ってあれでいてかなりの大食いなんですよ」
「フン。俺はお前のような柔な世界に住んでないんでな。文句が在るなら」
「窓を閉めたら割って入ってくるくせに」
「……っ」
「まぁ、そういうことでね。あまり良い部屋に住めないんですよ」
「はー。大変だな、オメーも」
「バカ、騙されるな。こいつは単に、部屋数を増やしたくないだけだ」
「へ?」
(2010/04/29)
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