416.傾ぐ(蔵鵺)
「おいおい、蔵馬。本当に数日間ここで過ごすのか? この家、傾いでるぜ?」
「五月蝿い奴だ。持っていろ。……よし」
「おおー。流石植物を支配するだけあるな。あっという間に立派になった」
「なんだ。ここに不満が在るんじゃなかったのか?」
「おいおいおいおい、冗談言うなよ。つぅか、お前直せるなら初めから言えって。いちいち言葉すくねぇんだよ」
「お前が喋りすぎなんだ」
「とにかく、淋しがりのお前のために、俺も一緒に泊まってやるよ」
「…………」
「何だよ」
「別に」
「居てやってるって言うんだから、ありがたく思え」
「……そうだな」
「っと。お前。何してんだよ」
「そのまま座ると、汚れるだろう?」
「だからって俺の上にのんな!」
「……じゃあ、お前が上にのるか?」
「いや、そうじゃなくて。お前が植物でベッドかなんか作ればいいだろ」
「ああ、なんだ」
「……な、んだよ」
「溜まっているなら、初めからそう言え」
「ふざけんな、お前。おい、蔵馬!」
(2010/6/04)
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