426.鍋将軍(不二タカ)
「……ねぇ、タカさん。このままタカさんとこ寄って行ってもいいかな?」
「こんな時間なのに? それにオレ、戻ったら握りの練習しないと」
「だからさ。僕が食べる役」
「えっ、不二食べるの?」
「迷惑?」
「じゃないけど。だってさっきみんなで鍋食べたばかりなのに」
「だってさ、僕のテーブル大石がいたんだよ? それで美味しく食べられる方がおかしいて」
「……大石かぁ。焼肉の時もそうだったけど、鍋でも仕切ってたね。オレ、声荒げてる大石見て、同じテーブルじゃなくて良かったと思ったよ。不二には悪いけど」
「あれは鍋奉行っていうより、鍋将軍だよね。ほんと、五月蝿かった。オマケに食べたくないものまで次々取り皿に入れられちゃうし」
「それで、不二は食べた気がしてないんだ」
「そ。それと、タカさんとテーブルが違ったから」
「?」
「もう少し、話したいなって」
「別に今日じゃなくてもいつだって話してるじゃないか」
「そうだけど。今日話したいんだ。……やっぱり迷惑?」
「帰り、遅くなっちゃうよ?」
「大丈夫。今日姉さん夜空いてるはずだから。迎えに来てもらうことにするよ」
「…………」
「タカさん?」
「……泊まっていかないか?」
「いいの?」
「駄目だったら訊いたりしないよ」
「うん」
(2010/11/08)
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