431.はじめてのおつかい(外部ファミリー)
「おじょうちゃん、どうしたんだい?」
「ここは関係者以外は入っちゃ駄目なんだぞ」
「えっと、その、あの……」
「僕の娘に手を出すなんて。いい度胸だな」
「娘?!」
「はるかパパ!」
「パパぁ!?」
「おい、天王。お前もしかしてとは思ってたけど」
「男だったのか?」
「バカ。僕の何処をどう見たら男になるんだ?」
「性格」
「女好きな、な」
「……う゛」
「はるか……さん?」
「いや、いいんだ。ほたる。大丈夫だから。……それで? 今日はどうしたんだい?」
「はるかさん、お弁当忘れていったから。はい、これ」
「おおー。これはもしかして、愛妻弁当ってやつか?」
「お前ら、五月蝿い。弁当に触るな。親子の触れ合いの邪魔したいのか?」
「邪魔しなけりゃ、見ててもいいのか?」
「……お前ら」
「冗談だって。じゃあ、オレ達は先にミーティングルーム行ってるから。そのままサボらずにチャンと来いよ!」
「ああ。……ったく」
「はるか……パパ? ほたる、もしかして言っちゃいけないこと、言っちゃった?」
「そんなことはないさ。僕たちの関係は、説明するのが面倒なだけで、別に隠すようなものじゃないし。……それにしても、どうやってここまで来たんだい?」
「衛さんに会ったから、車に乗せてきてもらったの」
「…………」
「はるかパパ?」
「ほたる。知らない人の車に乗っちゃ駄目だろ?」
「衛さんは知っている人だよ」
「……よく知らない人、だろ?」
「でもそんなこと言ったら。はるかパパだって、色んな人、隣に」
「乗せてないから。乗せてない。乗せてないよ」
「そんなに言われると、逆に怪しい……」
「えーっと……。ああ、ほたる。折角だから、僕の仕事、見ていくかい? といっても、テスト走行の前にまず、ミーティングをしなきゃならないんだけど」
「大丈夫。ほたる、ミーティング中は本読んでるから」
「本?」
「うん。みちるママが持っていけって。きっとこのこと分かってたんだね」
「…………」
「あと、お弁当、ほたるの分もちゃんと作ってくれたんだよ。だから、ほたる、今日一日パパの傍にいる! いい?」
「……え? あ、ああ。もちろんだよ」
(2010/06/19)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送