432.はじめてのおるすばん(外部ファミリー)
「せつな、ちゃんと戸締りしておけよ」
「分かっています」
「訪問販売の人が来たら追い返してね」
「大丈夫です」
「せつなママ、お土産沢山買ってくるからね!」
「はい、よろしくお願いします」
「いってきまーす!」
「行ってらっしゃい。……はるか? 忘れ物ですか?」
「いや、なんていうか……。すまないな。僕が君のレポートの期日を確認しておかなかったから」
「仕方がないですよ。今やあなたもみちるも世界を飛び回っていてなかなかスケジュールが合わないのですから、三日間、しっかりと楽しんできてください。……三人で」
「分かってるよ。親子三人で楽しんでくるさ。なんていったって、今回はほたるの行きたがってた場所に行くんだから」
「ならいいですけど」
「……なぁ、せつな」
「はい」
「本当に、一人で大丈夫か?」
「何を心配しているんですか。私は長年、独りで時空の扉の門番をしていたのですよ?」
「だけど、留守番は初めてだろ?」
「え?」
「……まぁ、いいか。せつな、何かあったら、僕のケータイに連絡してくれ。まぁ、多分ほたるがちょこちょこメールは入れると思うけど。レポートの邪魔に」
「大丈夫ですよ。私は誰かさんと違って余裕をもって物事を進めるタイプですから」
「ちぇ」
「ほら、そろそろ行かないと、ほたるが機嫌を損ねますよ?」
「ああ。うん。行くよ。……せつな」
「はい」
「留守番、だからな」
「えっ?」
「僕たちはちゃんと明後日に帰ってくる。それを忘れるなよ」
「……分かってます。遅めの夕食の支度はちゃんとして置きますから」
「……ったく。じゃあ、頼んだよ、せつな」
「ええ。行ってらっしゃい」
「行ってきます」
「……『行ってらっしゃい』」
(2010/05/10)
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