444.幸せの青い小鳥(はるみち)
「ほたる、寝た?」
「ああ」
「随分と遅かったわね」
「本を読みきかせててさ。もう絵本なんて詰まらなくなってるはずなのに」
「相対性理論を理解しようと、ほたるはまだ子供よ? 親に甘えるのは当然だわ」
「君も?」
「え?」
「いや。君も、子供の頃は親に甘えたりしたのかなって」
「……甘えたかったのかもしれないわ」
「…………」
「それで? 何を読んであげていたの?」
「ああ。『青い鳥』だよ。そういえば、ここに出てくる子供は君と同じ名前だったな」
「ミチル?」
「ほたるが気に入ってたのはそのせいもあるかもしれないな」
「倖せは、自分の身近なところにあるっていう内容じゃなく?」
「まぁ、それが一番の理由なんだろうけど」
「はるかの倖せも、身近なところにあるのかしら?」
「いいや、違うな」
「そう」
「触れられる距離、だ」
「……バカ」
(2010/05/14)
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