456.10年砂時計(不二タカ)
「……十年後、かぁ」
「全員、ちゃんと集まれるかな?」
「不二。それどういう意味だい?」
「手塚はさ、海外で活躍してそうじゃない。タカさんだって、タイムカプセルを開けるためにお店を休むわけには行かないでしょう?」
「十年後はまだまだ親父の手伝いだよ」
「そう。じゃあタカさんは来るんだ……」
「……その言い方だと、まるで不二は来ないみたいじゃないか」
「うん。もしかしたら、そうなるかもしれない」
「えっ?」
「僕ってほら、日付感覚曖昧だからさ。……十年経ったら鳴るアラームとか、砂時計でもいいかな。大きいの。それを見ながら、カウントダウンするとかさ」
「十年を計る砂時計ってこと?」
「そう。面白そうだよね」
「…………」
「タカさん?」
「いや。今更だけど、不二が日付感覚曖昧だと、どうして十年後、ここに集まれなくなるんだろうって」
「えっ?」
「だって、オレが覚えてるんだよ?」
「……タカさん、それって」
「えっ、あ。いや……。だから」
「そうだね。タカさんとずっと一緒にいれば。僕が忘れてても、大丈夫だったね」
「不二……」
(2010/08/21)
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