458.神業(不二幸)
「……神の子、か」
「どうかしたか?」
「精市は、人間なのになと思ってさ」
「不二?」
「まめだらけだね、この手」
「…………」
「リハビリのために、それだけ精市が努力したのか。君を神の子だなんていう奴等は知らないんだ」
「……どうして、不二がそんな辛そうな顔をするんだい?」
「どうしてだろうね? 多分、精市には分からないよ」
「そうだな。オレにはきっと分からない」
「酷いな。もう少し考えてくれてもいいのに」
「不二がそういうんだからきっとそうなんだ。不二の予言が外れたことはないから」
「僕の、予言?」
「精市の手術は成功する。精市はきっと今まで以上に強くなれる」
「ああ」
「……でも、優勝するのは青学だよ。だったかな」
「そうだね。別に、予言というつもりじゃなかったんだけど」
「言霊。……言葉の、力。不二にはそれを信じさせるだけの力がある。まるで神の啓示みたいに」
「そんなの信じるのは精市だけだよ」
「そうかな」
「そうだよ」
「けど……。不二」
「ん?」
「それがオレにだけ通じる予言だったとしてもいい。だから、今、オレ達に関する予言を、何か言ってくれないかな?」
(2010/05/22)
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