477.古風な人(不二塚)
「古風な人だよね、君のお祖父さん」
「ただ頭が硬いだけだ」
「柔らかいと思うよ」
「そうか?」
「だって僕たちのこと、許してくれてるわけだし」
「……お前。お祖父さまに言ったのか?」
「うん。だって聞いてきたから」
「向こうからか?」
「そう。国光の恋人なんだろう? って」
「そんな……」
「頷いたらさ、君のこと、大物だって褒めてたよ」
「なんだ、それ」
「ほら、武将なんかはさ、男色が多かったっていうじゃない。だから」
「……よく、分からない理屈だな」
「でも、お祖父さん、何処まで理解したんだろうね」
「何だ?」
「僕が、こういうことする側だって。ちゃんと分かったのかな?」
「お前……」
「お祖父さん、僕のこと綺麗な顔してるって。こう、顎をつかんでさ。じっと見つめてきたんだ」
「……っ」
「まぁ、流石にキスまではしなかったけど」
「ったり前だ。離せ、バカ」
「……ねぇ、少しは妬いちゃう?」
「そんなわけないだろう」
「ふぅん」
「何を考えている?」
「意地を張るのは古風というより、単に頭が硬いだけだよなって思ってね」
「……五月蝿い」
(2010/07/27)
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