491.三日坊主(不二柳)
「よくそんなもの続くね」
「そうか? データを採る人間なら、普通だろう」
「そういえば、乾も毎日長い日記を書いてたかな」
「貞治にデータ収集の仕方を教えたのは俺だからな」
「……ふぅん」
「そう拗ねるな」
「拗ねてる? 僕が?」
「口元がいつもより2ミリ尖っている。拗ねている証拠だろう?」
「良く見えるね、そんな目で」
「……別にそれくらいでは繋がりとはいえないさ」
「どうかな」
「だったら不二も日記をつけて見たらどうだ?」
「駄目だよ、僕は。三日と続かない」
「だろうな」
「分かってるなら……いや、なんでもない」
「そうだな。分かっているからといって何も言わなければ、俺達の間に会話はなくなる。それは嫌なんだろう?」
「僕は、ね。でも、別に君が僕に合わせることはないよ」
「不二が機嫌を損ねることはあまりしたくないな」
「読めなくなるから?」
「…………」
「でもだから一緒にいる。行動も思考も読める相手なら、三日で飽きるよ」
「だろうな」
「……つまんないな、柳って」
「飽きたか?」
「いいや。僕は君と違ってデータ収集が趣味じゃないから。読める相手でも飽きたりはしないよ」
「それはつまり……」
「その先は、あえていわないで置くよ」
「……ああ」
(2010/06/06)
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