508.公然の秘密(蔵飛)
「……いらっしゃい」
「なんだ?」
「いえ。……相変わらず、人が寝静まる頃にやってくるなぁと思いまして」
「当然だろう。昼間は目立つ」
「…………」
「何だ?」
「可愛いな、と思っただけです」
「……死にたいのか?」
「まさか。これからあなたとしようっていうのに。その前に死ぬなんて」
「なら、終わってから死ぬか?」
「無理ですよ。あなたはオレを殺せない」
「どうだかな」
「だって、腰、立たなくなりますから」
「っ。ふざけるな!」
「ですよね。夜明け前にいなくなるくらいですから。……オレもまだまだだな」
「……なんの話をしているんだ?」
「さぁ?」
「……フン」
「ねぇ。そんなことより、さ」
「何だ?」
「もしこれが、秘め事じゃなかったら。あなたはもっと頻繁にオレのところに来てくれるんですか?」
「こんなこと、バラせるわけがないだろう? そんな質問、するだけ無駄だ」
「…………」
「だからなんなんだ、さっきから、その顔はっ!」
「飛影」
「?」
「可愛いっ」
「っ。バカ、ふざけるな! 放せっ…!!」
(2010/9/01)
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