５１１．ミステリースポット（外部ファミリー）
「みちるママ、ここがそうなの？」 「ええ。ほら、この雑誌に載っているのと同じ風景でしょう？」 「わーっ、ほんとだ！　ねぇねぇ。ほたるも見れるかな？」 「そうね。ほたるは可愛いから、きっと攫いに来るかもしれないわね」 「…………」 「ほたる？」 「……その時は、守ってくれる？」 「当たり前よ」 「……せつな、楽しんでる？」 「そういうあなたこそ、どうなんですか？」 「僕は、楽しいよ。みちるとほたるが笑顔でいるのを見ているのは」 「それは私も同じです」 「そう。じゃあ、今日はこのままみちるの決めたコースを行くけど。構わないよな？」 「……それって」 「みちるが持ってる雑誌見れば分かるだろ。ミステリースポットめぐりだよ。知らなかったよ。まさかみちるに影響されて、ほたるまであんなもの愛読するようになってただなんて。監督不行届きだぜ、せつな」 「それを言うなら、はるかだって。みちるがあんな雑誌をほたるに見せないように、ちゃんと気をつけておかないと」 「まぁ、お互い様ってとこかな。でも、ま、あの二人が楽しんでくれるのなら、僕はそれでいいとも思うけどね」 「……そう、ですね」
(2010/06/22)