525.旅支度(不二切)
「……二泊するだけなのに、随分と大きな荷物を持ってくるんだね、君は」
「そうっスか? 普通っしょ」
「いや……。女の子よりも多いんじゃないかな」
「不二さんっ、女の子を泊めたことあるんスか?!」
「………」
「えっ、なんで無言?」
「中、何入ってるんだい?」
「はぐらかさないで下さいよ」
「……着替えに、歯ブラシに、DS? PSP? Wii?」
「だって不二さんち、ゲームないっていうんスもん」
「赤也は、僕の隣でゲームをするために泊まりに来たわけだ」
「そうじゃないっスけど。だって不二さん、勉強するんでしょ?」
「君もね、赤也」
「えっ、うっそ」
「……何、そのリアクション。もしかして、赤也」
「オレ、勉強道具、なんも持ってきてねぇっすよ。重いから置いてきちゃいました」
「全く。君って子は……」
「お仕置きっスか?」
「なんだか、嬉しそうだね」
「そ、んなことは」
「分かったよ、赤也。君の期待通り、三日間、しっかりとお仕置きをしてあげるよ」
(2010/06/30)
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