531.生きる化石(外部ファミリー)
「せつな。ほら」
「なんです?」
「携帯電話。買ってやるって言っただろ」
「はぁ。ありがとうございます」
「これ持ってないようじゃ、生ける屍……じゃなかった。生きた化石って言われても仕方がないからな」
「そんな意地の悪いことを言うのはあなたくらいですよ、はるか」
「あのな。意地が悪かったら、君のためにケータイなんか買ってこないって」
「ありがとうございます」
「本当に感謝してるのか?」
「随分と小さいですね。家にある電話よりも小さい……」
「けど、今は家電よりも高性能だぜ? まぁFAXは送れないけど、通話だけじゃなくメールを送れるし、写真だって撮れる。ウェブサイトだって見れるんだぜ」
「電話の出来るPCみたいなものですね」
「うーん、まぁ、まぁ。PCじゃ写真は撮れないけどな」
「でもこんな小さいものの何処にフィルムを入れるんですか?」
「……はい?」
「えっ?」
「……せつな、君は。ケータイを持ってるだけじゃ駄目だ。今日は一日、使い方と……その前に、君のいつの時代のか分からない知識をどうにかしないと」
「いいんですか?」
「何が」
「一日私のために使ってしまって。みちるが怒りますよ?」
「大丈夫。みちるにも協力させるから。きっと、僕を解放させたくて相当スパルタに指導してくれると思うぜ?」
「……ほたるに教えてもらうことにします」
(2010/07/10)
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