５３５．三ツ星シェフ（はるみち）※７３９．レパートリー豊富の続き
「お帰り、みちる。食事の支度、出来てるぜ」 「……はるか。どうしたの？　その恰好」 「三ツ星シェフみたいで、似合うだろ？」 「似合う、けれ、ど」 「ほたるとせつながさ、買ってくれたんだ」 「二人が？　どうして」 「ん。僕に料理を教えて欲しいんだって」 「はるかに？」 「そう。僕に」 「……ふぅん」 「妬いてる？」 「ええ。とても」 「……随分と、素直なんだね」 「だって。久しぶりなんですもの。それなのに」 「何？」 「ねぇ。どうして、帰ってきて最初に食べるものが、食事なのかしら？」 「……みちる、さん？」 「なんでもないわ。……着替えてくる」 「みちるっ」 「……はるか？」 「着替え。手伝うよ。……それと。僕の着替えも、手伝ってくれる、かな？」 「……ええ。もちろんよ」
(2010/09/10)