547.嘘発見機(はるみち)
「はるか。ちょっとこっち向いて」
「な、んだよ」
「いいから。私の目を見て」
「ああ」
「…………」
「…………」
「やっぱり。さっきのは嘘ね」
「えっ?」
「嘘なんでしょう?」
「えーっと」
「駄目よ。私には分かるんだから。というより、はるかは嘘が下手なのね」
「そんなことはないさ」
「そうかしら?」
「そうだよ。君くらいだぜ、騙せないの」
「あら。じゃあさっきのはやっぱり嘘だったのね」
「あー……。まぁいいか。認めるよ。僕は嘘を吐きました。でも、どうして分かったんだ?」
「はるかはすぐに顔に出るんだもの」
「おかしいな。ポーカーフェイスが売りのつもりなんだけど」
「つもり、でしょう?」
「……はぁ。君の目は、きっと嘘発見器も顔負けだな」
「当然よ。あんなもの。私は貴女を全身で感じてるんですもの。私と同じ精度の嘘発見器を作るつもりなら、はるかの全身をコードで繋がないといけなくなるわ」
「そりゃあ、随分と……グロテスクな発想だな」
「ねぇ。そんなことより」
「何?」
「私ね、嘘かどうかは見分けられても、何が真実かは見通せないの」
「う゛」
「ねぇ、はるか。私が笑っているうちに、本当のこと、話してくれるかしら?」
(2010/07/19)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送