５８０．キャラメル（はるほた）
「ただいまー」 「おかえり、ほたる」 「あれ？　みちるママは？」 「お出かけ中」 「……はるかパパ、なに食べてるの？」 「みちるが作ってくれた生キャラメル」 「いいなぁ。ほたるも食べたい！」 「んー。残念。さっきのが最後の一つだったんだ」 「えーっ」 「そんな顔するなよ。一応、まだ口の中に残ってるけど。これ、食べるかい？」 「…………」 「なんてね。冗だ……」 「おいしい！」 「……ほたる？」 「えっ？」 「あ。えーっと」 「だって、はるかパパが食べる？　って言うから。駄目だった？」 「……まぁ、いいか。みちるには、今の内緒だぜ？」 「生キャラメル食べたこと？」 「じゃなくて」 「？」 「こういうこと。……したってことさ」 「あ」 「ん？」 「私、もしかして、すっごいことしちゃった？」 「そうだね」 「……はるかパパのバカ！」 「えっ？　あ。おい。……何で僕がバカって言われなきゃなんないんだ？」
(2010/07/30)