581.包み紙(はるみち)
「……豪快だなぁ」
「なあに?」
「それ」
「ごめんなさい。まだ開けてはいけなかったかしら」
「いや、いいんだ。君へのお土産だから。それは構わないんだけど」
「けど?」
「君はいつもそうやって、包装紙を開けるのかい?」
「え? ええ。そうだけど」
「ふぅん」
「はるか?」
「いや。……まぁ、そうか。お嬢様だもんな、一応」
「なによ」
「僕なんかはさ、貧乏性だから。貸して」
「ええ」
「こうやって……丁寧にテープを剥がして、開けるんだけどね」
「……はしたなかったかしら、私」
「そういうわけじゃないさ。言っただろ、貧乏性なんだって」
「どう繋がるの?」
「包装紙を取って置くんだよ」
「取って置いてどうするの?」
「小さく切ってメモ紙にしたりね。あとは、ブックカバーとか」
「…………」
「お嬢様はそんなこと、しないもんな」
「はるかって」
「ん?」
「女の子なのね」
「は?」
「なんとなく、そんな感じがしたのよ」
「…………」
(2010/07/22)
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