584.天日干し(不二塚)
「暑いね」
「ああ」
「日干しされてるみたい。干上がりそう」
「だったらわざわざ屋上で弁当を食べなければいいだろう」
「うん。まぁ、ね。でも、気持ちいいからさ」
「オレは暑いだけだ」
「情緒がないな」
「コンクリートの熱も手伝って、体感温度40度近いはずだ。こんな中で情緒もくそもあるか」
「暑いの、嫌いじゃないくせに」
「何もしていないのに暑いのが嫌いなんだ」
「じゃあ、何かする?」
「バカ。そいういう意味じゃない」
「分かってるよ。……ねぇ。じゃあ、起こして」
「は?」
「引っ張って、僕を起こしてよ」
「……断る。自力で起きろ」
「えー。いいじゃない」
「お前のことだ。どうせ素直には起きないだろ」
「起きるよ。だから」
「……断る」
「信用されてないなぁ」
「当たり前だ」
「……それもそうか」
(2010/12/11)
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