594.連休(外部ファミリー)
「……連休かぁ」
「なあに?」
「いや……。そういう制度が出来てから、僕たちは連休なんて関係ない生活になったな、と思ってさ」
「あら。関係ないことはないんじゃなくて?」
「そう?」
「ほたるがいるもの。それに、せつなだって」
「まぁ、そうだな。あの2人は。でも僕たちはさ」
「私たちは家族なのよ?」
「ああ。そういうことか。確かに、関係ないわけじゃないな」
「ねぇ。今度の連休、どうにかならないの?」
「どうにかって言われてもなぁ。君の方はどうなんだ?」
「私は大丈夫」
「そっか。でも僕は、レースの日程は変えられないから。ああ、そうだ。だったら三人で見に来いよ」
「貴女のレースを?」
「他に何を観ろっていうんだよ」
「そうねぇ」
「不満?」
「そんなわけないわ。ほたるだって、きっと喜ぶもの。ただ……」
「あー」
「そんなことはありません」
「せつな」
「ただいま帰りました」
「お帰り」
「家族の勇姿を見たくない人なんていませんよ」
「ほんとか?」
「ええ。一応、はるかは私の旦那様なわけですし」
「だっ……」
「あなたがほたるのパパで、私がママだということは、そういうことでしょう?」
「いや、まぁ。それは、そう、だけ、ど。……えーっと。みちるさん?」
「なあに?」
「いや、別に、なんでも……」
「そういうことですから。今度の連休、みんなではるかのレースを観に行きましょう。……そうと決まれば、ほたるに報せてきますね」
「おい。ちょっと、せつな……。えーっと」
「…………」
「みちる、さん?」
「なあに?」
「怒ってたりするの、かな?」
「別に怒ってはいないわ。ただ少し、不機嫌なだけ」
「なるほど。……で。それは、僕がキスをしたら直してくれるのかな?」
「さぁ? そんなこと。やってみないと分からないわ」
「…………」
(2010/07/16)
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