595.白いシャツ(蔵飛)
 なかなかどうして。
 渡した白いシャツを身につけた飛影に、オレは思わず溜息を吐いた。気づかない飛影は、そのままベッドの隅で膝を抱えるようにして眠りについてしまったけれど。
 飛影が部屋を訪れたのは久しぶりだった。その間、服をどうしていたのかは知らないけれど、兎に角、オレの所に来た時には酷く汚れていた。そこでオレは、思い切って彼の服を総て洗濯することにした。今日明日は晴れると予報で言っていたし。
 身包み剥がした飛影にシャワーを浴びさせ、その間に代わりの服を用意しようとした時、ちょっとした考えが頭に浮かんだ。男のロマンといえばロマンだろうか。サイズの大きい白シャツ一枚を、自分の彼女(オレの場合は彼氏だが)に着せるという。
 それにしても。これは本当にそそるんだな。といっても、幽助や桑原くんが見たら、逆に吐き気をもよおすのかもしれないけれど。
 考えながら、生唾を飲み込んでいる自分に気付き、苦笑する。
「飛影。久しぶりなのに、もう寝ちゃうんですか?」
 ベッドにのり、露わになっている飛影の膝に触れる。そのままゆっくりと手を遡らせると、突然開けられた目に睨まれた。
「何をしている?」
「何だと思いますか?」
 クスクスと笑いながら、唇を重ねる。抵抗されるかと思ったが、飛影も溜まっていたのか、積極的にオレの首に腕を絡ませてきた。唇を合わせながら、シャツのボタンを外そうとして、手が止まる。
「どうした?」
「少し、勿体無いと思いましてね」
 折角そそる恰好にしたのだから、すぐに脱がしてしまうのは勿体無い。頭にクエスチョンマークを浮かべている彼に意味深に笑いながら、オレはシャツの下から手を入れ、彼のそれに触れた。
(2010/07/17)
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