604.救急箱装備(はるみち)
「っ」
「どうした?」
「紙で。指を切ってしまったみたい」
「見せて」
「大したことないわ。こんなの、舐めておけば」
「だとしても、さ」
「ちょっとはるか。図書館(こんなところ)で……」
「何想像してんだよ」
「……もう」
「でも、ほら。君はヴァイオリンを弾くんだから。例え右手でも、大事にしないと」
「絆創膏?」
「と、消毒も」
「っ」
「染みた?」
「少しだけ。……でも。いつもそんなもの持ち歩いているの?」
「こう見えて、幼いころは結構やんやだったんだぜ?」
「今でもそう見えるわ」
「あれ? まぁいいか。それでさ。しょっちゅう擦り傷とか作ってたから。……これでよし」
「ありがとう。…………」
「何?」
「はるか。これ、自分で買ったの?」
「他に誰が買うっていうんだよ」
「そうよね」
「みちる?」
「随分と可愛らしいものを有難う」
「……あー。えーっと……」

※イメージとしてはこんなもの→画像
(2010/07/24)
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