605.常備品(蔵飛) |
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「……貴様はいつもそんなものを持ち歩いているのか?」 「今までは持ってなかったんですけどね。薬草塗って、おしまい。だけど、誰かさんが包帯を必要とするようになったから」 「ふん。これは貴様が勝手にやっていることだろう」 「そうですよ。だから文句はいってないじゃないですか」 「……ちっ」 「忌呪帯法、よく知ってましたね」 「昔、ほんの僅かな時間属していた奴等の1人に、これを使っている奴がいたんだ」 「ああ、それで」 「なんだ?」 「少し、強引な巻き方をしているなって」 「……そういう貴様は何故知っている?」 「オレの盗みの対象は、主に知識だったから」 「ほう」 「ねぇ、飛影。オレ、記憶力には自信があるんですよ」 「だからなんだ?」 「だから。オレの正確な忌呪帯法を見て、あなたももう一度やり方を覚えたらどうです?」 「何故」 「何故って……。そりゃあ、今までのあなたの雑なやり方でも、力を封じ込められますが。手本があるんだから、少しは」 「必要ない」 「そんな」 「俺が覚えなくとも、貴様がそれをやればいいだけの話だろう?」 「…………」 「常備品が腐らないよう、使う機会を作ってやるって言ってるんだ」 「包帯は、腐りませんよ」 「……だったら」 「冗談ですよ。是非、巻かせて頂きます」 「ふん」 |
(2010/07/31) |
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