616.三日で慣れる(外部ファミリー)
「美人は三日で飽きるといいますが。あなたがたはよくもまぁ、飽きずにやってますね」
「それはさ、顔だけがって話だろ? 容姿は勿論だけど、みちるの魅力はそれだけじゃないからな」
「はいはい、そうですね」
「何だよ。ノリが悪いな」
「私はいい加減飽きましたから。あなたがたのそれに」
「どれ?」
「……はぁ」
「けど、そんなこと言ってさ。せつなは全然慣れてはくれないよな」
「何がです?」
「僕とみちるのこと。いつも怒るだろ? 飽きたんだったら、そのまま流せばいいのにさ」
「飽きたから、もう見たくないんですよ」
「ああ、なるほど。そういうことか」
「分かってもらえたのなら、次からは」
「じゃあ、せつなを飽きさせないようにすればいいってことかな?」
「な、に、を。言ってるんですか?」
「僕たちが次々と新しいことをすれば、せつなも怒ったりはしないんじゃないかなって話さ」
「……何を考えてるんですか、あなたはっ!」
「怒るなよ。まだ、考えただけだろ? 何想像して1人で盛り上がってるんだよ」
「盛り上がってなんかっ……」
「どーどーどー」
「……全く。方法だとかそういうことを言ってるんじゃありません。2人でそうしていること自体にうんざりしたと言ってるんです」
「そんなこと言われたってなぁ。夫婦って、そういうもんだろ?」
「そうしなければいけないわけではありません」
「でも、そうしちゃいけないってわけでもない。だろ?」
「それはそうですが……」
「あ」
「今度は何ですか」
「だったら、今度はせつなも混ざるかい?」
「えっ? ……なっ、何を言ってるんですか!」
「冗談だよ。怒らない、怒らない」
「本当ですよ! 全くっ」
「…………」
「何ですか? 人の顔をじろじろと」
「いや、さ。怒ってるから顔を赤くしてるんだと思ったけど。せつな、もしかして。……想像して、赤面した?」
「……何を馬鹿なことを言ってるんですか!」
「まぁ、じゃあ、怒ってるってことにしておくよ」
「はるか!」
「ああ、そうそう。僕はどうやら、君のその怒った顔、三日で慣れたみたいだから。多分、この先いくら怒っても無駄だと思うぜ?」
「…………」
(2010/07/29)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送