619.灰になる(蔵飛)
「……いい加減にしないと、燃やすぞ」
「影しか残らないくらいに?」
「影すらも残しはしない」
「……灰に、してくださいよ。せめて」
「なんだと?」
「それなら、あなたに身につけてもらえる」
「誰がそんなもの持ち歩くか」
「泪涙石とそう変わりないでしょう?」
「ふざけるな。本当に燃やされたいか?」
「本当にそれが出来るのなら、やってくれても構いませんが」
「……ふん」
「あれ?」
「貴様などにくれてやる炎などない」
「そう。じゃあ、オレはこのままあなたを押し倒すけど。いいんですね?」
「どうしてそうなる?」
「拒まないから」
「拒んでいるだろう。離せっ」
「離しません」
「貴様っ」
「だってそれ、本気じゃないでしょう?」
「…………」
「ほら、黙る」
「うるさい。やめっ……」
(2010/08/03)
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