652.ルームシェア(蔵飛)
 一緒に暮らすことを拒んだら、それならルームシェアをしてみないかと言われた。
 どう違うのかと訊く俺に、ヤツはただ微笑むばかりだった。
 それから半月。オレはルームシェアとやらを続けている。
 蔵馬のマンションに一室あてがわれ、その中で自由に過ごす。互いに干渉はしない。
 ただ、食事や洗濯などの家事は俺が出来ないため、そこらへんは蔵馬にやってもらっている。
 そのことを幽助に言ったら、それはルームシェアじゃないと言われた。
 だったらなんなんだ。そう言った俺に、幽助はただニヤニヤと腹立たしい笑みを見せるだけだった。
 さらに半年。オレは未だに蔵馬と共にいる。
 当初は食事の時間だと無理矢理起こされたが、今では起こされなくとも自然とその時間に腹が減るようになった。
 夜眠る時間に洗濯機を回されるのが五月蝿いので、昼蔵馬が仕事に行っている時間に俺が洗濯をするようにもなった。
 同じ場所にいるだけで生活重ならない。そういうものだったはずなのに、今では生活のリズムがピタリと一致しているように思える。
 この状況を、本当はなんと言うのか。未だに俺はそれを知らない。
(2010/09/02)
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