668.どうでもいいけど、どうでも良くない(はるか&エルザ)
「大会、中止かな?」
「通り雨だろ。少し待ってればすぐに止むさ」
「……ほら」
「何?」
「身体、拭かないと。濡れたんでしょ? そのままにしておくと、風邪ひくよ」
「その方が、君にとっては良いんじゃないのかな?」
「ふざけない。私は万全のコンディションのあなたを負かしたいの」
「まぁ、もう僕らの出番は終わったんだ。これから僕が風邪をひこうと、君には関係ないことだ」
「アンタが風邪を引いて寝込もうと何しようと、確かに私にとってはどうでもいいことだけど。……でも、どうでもよくないのよね」
「言ってる意味が分からないな」
「あなたが風邪を引いたら、みちるが心配するでしょ?」
「……それに、みちるが僕につきっきりで看病する」
「そのニヤついた顔、やめてくれない?」
「何だ。てっきり、自惚れるなって言われるのかと思ってた」
「認めるわよ、それくらいは。どこでどう距離が縮まったのかは知らないけど。みちるは、つきっきりで看病するわ。絶対にね」
「……タオル、返すよ」
「ちょっと。人の話聞いてた?」
「聞いてたよ。だから、こっちを使うんだ」
「なんだ。自分で持ってたんだ」
「当たり前だろ? 僕たちは今日、何をしに競技場に来たと思ってるんだ?」
「……ったく。可愛げがないわね、ほんと」
「あったら嫌だろ」
「みちるは可愛い所もあるって言ってたんだけどなぁ」
「え。嘘だろ?」
「ホント」
「…………」
「気になる?」
「……別に」
「…………」
「何だよ」
「……別にぃ」
(2010/09/14)
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