670.トロピカルモード(外部ファミリー)
「ただい……」
「お帰り」
「お帰りなさい」
「何ですか。リビングのこの有様は」
「へへ。いいでしょう。ほたるも手伝ったんだよ」
「……ということは、あなたたちがやると言い出したんですか?」
「ええ」
「なんてこと」
「なかなかいいもんだろ。ほら、僕が前住んでたマンションには屋内プールがあったんだけどさ。この家にはないから。せめて雰囲気だけでもと思ってね」
「ちょ、ちょっと……。ええと。……意味が分かりません」
「気分だよ、気分。常夏気分」
「せつなママ、ちょっとしゃがんで?」
「え? あ。はい」
「よいしょっと」
「これは?」
「レイはほたるが作ったんだよ!」
「思ったとおり。似合うわね」
「……そ、そう、ですか?」
「そうそう。まるで日本人じゃないみたいだ」
「えっ」
「もう、はるかっ」
「はるかパパ。そういうのは思ってても言っちゃ駄目だよ」
「……ほたる。それ、ダメ押し」
「あっ。ごめんなさい、せつなママ。でもとっても似合ってるってことだから。ねっ?」
「ええ。まぁ、そうですね。大丈夫です。ほたるに悪意はないって、分かってますから。……ほたるには」
「えーっと。さて、みちる。何かフルーツでも切ってこようか?」
「そうね。そうしましょう」
「あなたたちっ!」
(2010/08/17)
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