678.コードレス(外部ファミリー)
「手綱でも、つけて置いたらどうです?」
「なあに?」
「はるか」
「どうして?」
「どうしてって……。あれじゃ番犬じゃなく猛犬ですよ。誰彼構わず噛み付いて」
「別に、誰彼構わずというわけではないわ。はるかにだってそれくらいの分別はあってよ」
「そうはいいますけどね」
「ただいま、みちる」
「おかえりなさい、はるか」
「ただいまとかおかえりじゃありませんよ。なんなんですかあなたは。さっきから」
「だってしょうがないだろ。みちるに悪い虫が寄らないようにしないと」
「子供じゃないんですから、みちるだって自分の身くらい自分で護れますよ」
「……護る気になれば、ね」
「どういう意味ですか?」
「みちるには、前科があるから」
「それは……」
「みちるが悪いんだぜ?」
「……そこ。そんな至近距離で見つめ合わないで下さい。……分かりました。じゃあ」
「へっ?」
「せつな?」
「なんだよ、せつな。くっつくなって……」
「みちるがはるかを野放しにするのなら、私がはるかの手綱を持つことにします。それでいいで……」
「せつな。あまりみちるを怒らせるなよ。頼むから」
「……ええ。いや、その。これは。冗談ですよ。冗談」
「そう。せつなって、とても面白い冗談をいうのね」
「……みちる」
(2010/08/24)
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