697.今、ちょっといいですか(外部ファミリー) ※【611.値切る】と関連
「え? ああ。別にいいけど」
「よかった。あなたの力が必要なんです」
「何。電球の交換? けど、せつなだってそれなりのタッパあるんだからさ」
「違いますよ。……はるか、その恰好」
「暑いんだ。しかたないだろ?」
「ですが。その恰好で外に出るんですか?」
「え? 何? 出かけるのか?」
「ええ。みちるの許可は取ってありますから」
「……何の許可だよ」
「あなたをお借りする許可ですよ」
「あのなぁ」
「誤解されたら困りますからね」
「しないだろ。だってせつなだぜ?」
「……それ、どういう意味です?」
「えーっと。幾ら僕でも、家族には手を出さないってことさ」
「説得力のない話ですね」
「どこが」
「みちるは家族ですよ?」
「あ」
「いいから。行きましょう」
「ったく。……それで? 何処に行くんだい?」
「決まっているじゃありませんか。電気屋ですよ」
「やっぱり電球の交換? 買い置きなかったっけ?」
「そうじゃなくて。私のプリンタを買いに行くんです。あれももう古い型ですから」
「なるほど。僕は荷物持ちってことか」
「違います」
「じゃあ何」
「みちるから聞きましたよ。値切るのが得意だと」
「なっ……。みちるのやつ」
「その時のあなたがとても楽しそうで安心したと、なんだか楽しそうに言ってましたよ」
「……僕は、みちると一緒なら何処でだって楽しんでるはずなんだけどな」
「はず、でしょう?」
「…………」
「はるか?」
「なんか、今日のせつなはみちるみたいな追及の仕方するな」
「そうですか?」
「まぁ、いいか。じゃあちょっと、着替えてくるよ。それまで、良い子で待っててくれよ、子猫ちゃん」
「……何言ってるんですか、あなたは」
「あはははは」
(2010/07/26)
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