703.パノラマサイズ(不二塚)
「うっわー。絶景!」
「…………」
「何?」
「……いや。お前でも、そういう声を出すことがあるんだな」
「はしゃぎすぎかな?」
「珍しかっただけだ」
「だって、こんな絶景。富士山にでも登らない限り見れないと思ってたから」
「お前は本当に上を見ない奴だな」
「え?」
「富士山にでも、というのは、お前の単なるイメージだろう?」
「……バレたか」
「しょうがない奴だな」
「手塚?」
「オレについてくれば、絶景くらい幾らでも見せてやる」
「登山で?」
「テニスでも、だ」
「頼もしいね。……でも、僕に君の後ろなんて、歩けるかな」
「お前が本気になればいいだけの話だ。……それとも、オレには本気を見せられないか?」
「まさか。いつも言ってるよね? 僕は、君に対してはいつだって本気なんだって」
「口先だけだろ?」
「酷いなぁ」
「だったら、証拠を見せろ」
「……分かった。帰ったら、僕の本気を見せてあげるよ」
「っバカ。そういう意味じゃない。お前、折角――」
(2010/08/28)
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