704.特別講義(はるみち)
「教鞭をとることになったって、本当かい?」
「一コマだけよ。無限学園は成績優秀であれば、教鞭をとることも出来る。その話が回ってきただけよ」
「流石はみちるだ。と、言いたいところだけど。大丈夫か? そんな目立つ行動をして」
「大丈夫よ。こういう形で講義をしている人は他にもいるもの。それに、目立つのなら、貴女だって同じでしょう?」
「目立つ? 僕が?」
「いい加減、自覚を持って欲しいわ」
「……まぁ、君が自ら引き受けたのなら、それでいいけど」
「これから、暫くは一緒に帰れないわね」
「どうして?」
「だって。講義の準備があって遅くなってしまうもの。貴女を待たせるわけには行かないわ」
「待つさ。君が今まで僕を待ってきた時間に比べたら、こんなの待つうちに入らないだろ? あ。それとも、僕も手伝おうか? 音楽のことは分からないけど、資料作りくらいなら」
「駄目よ」
「え?」
「ねぇ。講義、受けにきてくれるんでしょう?」
「……分かった。じゃあ、図書館ででも暇を潰してるよ。それなら構わないだろ?」
「……もう。頑固なんだから」
(2010/09/17)
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