706.癒し系の秘訣(不二タカ)
「……不二。つまらなくないか?」
「何が?」
「なにがって……。さっきから自分の問題解いてないじゃないか」
「そうだね」
「大丈夫だよ。分からないところが出てきたら、すぐに不二に訊くから」
「分かってる。タカさんは素直だからね」
「バカにしてる?」
「まさか。そういうとこ、好きだよ」
「……不二のほうが」
「え?」
「不二のほうが素直だよ。オレには真似できない」
「真似なんかしなくていいよ。タカさんは、今のままで良い。きっと、それがタカさんを癒し系にしてるんだろうし」
「癒し系? オレが?」
「そう」
「まさか。そんなこと言ってるの、不二だけだよ」
「違うよ。みんな言ってる」
「みんなって?」
「……英二とか」
「一人だけじゃみんなとは言わないよ」
「僕も言ってる」
「…………」
「でもさ、僕だけがタカさんを癒し系だと思ってるくらいで丁度良いんだと思うよ、ほんとは」
「?」
「だって、タカさんに癒されたいって思ってるのはきっと僕だけだと思うから。それとも、タカさんは他に癒したい誰か、いる?」
「……癒したいと思う相手は他にいないけど」
「けど?」
「オレは、不二に癒されたいなって思うよ」
「今は?」
「まだちょっと、不二は癒し系っていうには遠いかな」
「えー……」
(2010/11/24)
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