733.電気時計(蔵飛)
「何だ、コレは」
「腕時計ですよ」
「分かっている。だが何故俺の腕に嵌める?」
「時計の読み方は覚えたでしょう?」
「だから何だ」
「オレの生活サイクル。時間で分かるようになってきた」
「だから何だ!」
「魔界。行った時にこの時計を見て、オレが今何をしてるのか。少し想いをめぐらせてくれたらなと思いまして」
「くだらん」
「そう。くだらないことです。でも、あなたには丁度いい暇つぶしでしょう?」
「……貴様はどうなんだ」
「え?」
「だから、なんだ、その」
「魔界であなたが何をしているか、オレは知りませんから。想いをめぐらせたくても」
「分かるだろう?」
「分かりませんよ。魔界でのこと、飛影一言も話してくれないじゃないですか」
「自分で言っておいてもう忘れたのか?」
「えっ? ……あ」
「どうでもいいが、コレはすぐ壊れたりはしないのだろうな?」
「ええ、まぁ、一応は」
「……しょうがない。付けておいてやる」
(2011/05/12)
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