755.泣き落とし(はるみち)
「はるか、またほたるの我侭を聞いてあげたんですって?」
「仕方ないだろ、まだ子供なんだ」
「私たちだって、まだ子供よ?」
「……どの口が、そんなことをいうのかな?」
「もうっ。……どうせ、泣かれたんでしょう?」
「しょうがないだろ」
「ねぇ、知ってる? ほたるって、貴女の前以外では泣かないのよ」
「嘘だろ」
「こんなことで嘘なんかついたってしょうがないわ」
「……一体、誰に似たんだろうな」
「えっ?」
「僕が涙に弱いって、知ってたのかな。それとも、誰かに似たのか」
「……私だっていいたいの?」
「別に」
「私、はるかの前では」
「みちるのことだなんて誰も言ってないだろ。泣き虫といえば、うちのお姫様のことかもしれないし」
「……ハメたの?」
「自滅だろ」
「ねぇ、はるか」
「……みちる、さ」
「なあに?」
「余り僕を困らせないでくれよ。今だって充分君の我侭はきいてあげてるだろ?」
「あら。私、今まで貴女に我侭なんて言ったことあるかしら?」
「……あー。無かった、の、かもしれないな」
「ふふっ」
(2010/11/26)
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