喉が渇いたというと、試作品だという薬を飲まされた。
どんな効果があるのか。尋ねるよりも早く、効果は現れた。
渇いた。
呟く俺に、今度はキスをしてきた。
飲まされたのは薬ではなく、どちらのか区別のつかなくなった唾液。それは妙に喉に絡みつき、余計に渇きを誘った。
次に飲まされたのは精液だった。
弱者であった昔に、見知らぬ妖怪のものを飲んだことはあったが、蔵馬のそれは初めてだった。
昔の記憶よりも、いつもされている感覚を思い出し、吸った。
僅かな呻き声と共に、口の中に放出される。味よりも潤いよりも、見上げた視界に映った蔵馬の表情が、妙な渇きを思わせた。
これで少しは潤ったかな。満足げに訊かれたが、俺は首を横に振った。
まだ足りない。足りなくなった。
驚く蔵馬に構わず唇を重ねる。渇いてるのは喉じゃない。分かっていながらも深く舌を絡めては、流れ込んでくる様々なものを何度も嚥下した。
|