766.企画(星はる)
「地球人て奴はホントわっかんねーな」
「キンモク星人だって分から……いや、お前は分かりやすいか」
「悪かったな、単純で」
「ふ」
「何だよ」
「本当に単純だな」
「うるせ。……にしても。昨日テレビの企画で短冊ってやつ書いたんだけど。ありゃ、何に願ってるんだ?」
「僕に訊くな。あんなの、クリスマスと同じ単なるイベントだろ」
「……お前なら、何を願うんだ?」
「そういうお前は何を願った?」
「CDリリースの宣伝も兼ねてたからな」
「……つまらない奴だ」
「だったら。そういうお前は」
「僕は何も願わない」
「は?」
「願いは自分で叶えるものだ。例え神がそこにいたとしても、僕は何も願ったりはしない」
「……自分の力じゃ、どうにもならないことだってあんだろ」
「例えば?」
「……分かってんだろ」
「まぁ、幾らお前が努力をしたところで、うちのお姫様はお前のものにはならないか」
「お前だって。みちるさ――」
「何だ?」
「……い、いや」
「お前は、それで満足なのか?」
「は?」
「自分の力だけじゃどうにもならないからって、誰かに願い叶えてもらったとして。それでお前は満足なのか?」
「それは……」
「僕は嫌だ」
「けど、たった一度の夢なら。そう、夢なら……」
「……星野」
「なん、だよ」
「愛してる」
「……今、なんて」
「願いを叶えてやるよ。一夜の夢として。お前……星野と、今夜だけは心を通わせてあげるよ」
「……天王」
「違う」
「は?」
「はるか」
「……はる、か」
(2005/01/25)
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