794.花時計(蔵雪) |
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「蔵馬さん、何をしているんですか?」 「ずっと気になってたんですけど。幻海師範の残していった家、時計、ありませんよね」 「ええ。だって、時間を気にするような生活していませんから」 「カレンダーも無い」 「季節さえ分かれば充分です」 「まぁ、それもそうなんですけどね。……これでよし」 「えっと」 「花時計。花の咲くタイミングで時間が分かるというものです。その一回り外にあるのは、月が分かるようになってます。まぁ、大体の時間ですが」 「すごい。流石蔵馬さんですね」 「オレが改良した魔界の植物を使えば、もっと正確なものが作れますが。まぁ、ここでならアバウトでもいいんじゃないかな」 「……ねぇ、蔵馬さん」 「ん?」 「この花たちの世話は、蔵馬さんがしてくれるんですよね?」 「オレは毎日来れないから、水やりなんかは雪菜ちゃんに任せることになりますが。最低でも二週間に一度は様子を見に来ます」 「そう、ですか。……それなら」 「雪菜ちゃん」 「はい」 「枯らしてしまうのであれば、オレが頻繁に足を運ぶ理由、なくなりますよ?」 「えっ?」 「それでもこの花時計をここに作ろうとまでは思いませんから」 「……分かりました」 |
(2010/11/27) |
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