806.夏暖かく、冬涼しい部屋(はるみち)
「なぁ、みちる。この部屋もう少し涼しくならないのか?」
「エアコン、ついているでしょう?」
「の割には暑い」
「暖かい、程度よ。このくらいでいいの。折角の夏なのに、その気配を消し去ってしまうことも無いでしょう?」
「ちぇ」
「それに。貴女は部屋を冷やしすぎなのよ。エアコンをつけて長袖を着ているんじゃ意味が無いわ」
「だって暑かったら僕の存在意義が無くなるだろ?」
「何の話をしているのよ」
「君はいつも、外の気温に合わせて服を選ぶから。ほら」
「……暑いわ」
「だから、この程度の室内温度じゃ駄目なんだよ。温度、下げてもいいだろ?」
「ダーメ」
「みちる」
「だって、どっちにしてもそれは夜までお預けだもの。だったらそれまでは、触れられない方がいいわ。だから。温度は下げてはいけないの」
「……なんだよ、それ」
(2011/05/17)
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