881.紅茶狂(蔵飛)
「ココア、切らしてしまっていて。紅茶でもいいですか?」
「貴様は最近そればかりだな」
「え?」
「紅茶」
「ああ。そういえば、そうかもしれませんね。……へぇ」
「なんだ?」
「オレより、オレのこと見てるんだなって」
「鏡でもない限り、自分で自分の姿など見れないだろう」
「そういう意味じゃなくて。最近、少し凝ってるんですよ」
「揉まんぞ」
「肩じゃありませんよ。紅茶です。あとは、ハーブティー」
「あのやたらと匂いのキツいやつか」
「思ったより鼻が利くんですね。実は狐だったり……?」
「するか」
「冗談ですよ。で、紅茶。飲みます? じゃなければコーヒーですが、ミルクはありませんよ」
「紅茶でいい」
「ああ、それか、オレがあなたのために特別にブレンドしたハーブティーが」
「紅茶がいい」
「えー。折角オレが」
「紅茶が飲みたい」
「あなたのために考え」
「お前の淹れた紅茶が飲みたい」
「……分かりました」
(2012/03/22)
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