884.追っかけ魂(蔵飛)
「じゃあ、逃げてみてください」
「は?」
「追いかけているばかりで、不満なんでしょう?」
「誰が貴様など」
「監視して、押しかけて。自分だけがオレを好きなのだと、思ってる」
「……」
「ためしに、逃げてみてください。何処に行こうと、必ずあなたを見つけますから。邪眼なんてなくても、あなたを見つけられるんです。オレがどれだけあなたを好きなのか、証明してみせますよ」
「くだらん」
「そうですか?」
「逃げられると思っているのか?」
「いや、だから。逃げるのはあなたですよ。そもそも、オレは既にあなたに捉えられ」
「俺の話だ」
「え?」
「お前が追いかける必要が出てくるほどに、俺が逃げられると思っているのか?」
「何を、言ってるんですか?」
「監視したり押しかけたりする必要もないほどに、俺を好いているのだろう」
「それは、まぁ、そうですけど。でも、ねぇ、飛影。あなた、自分で何を言っているのか分かってるんですか?」
「当たり前だ。貴様こそ、分かっているのか?」
「何だ。あなたもちゃんと分かっていたんですね。オレのほうが、好きだってこと」
「……ふん」
(2011/12/20)
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