903.現場を呼び出す(はるみち)
「今度こそ本当なんだろうな」
「私に聞かないで」
「君は妖魔の気配を感じられるんだろ?」
「総てではないわ。それに。覚えている?」
「なに?」
「予感がハズレても、先にタリスマンを見つけられてしまうよりは無駄足の方がいい。そう言ったのは貴女よ」
「それはそうだけど」
「けど?」
「ここのところハズレ続きだろ。ここだって学園不思議で噂されているスポットの1つだ」
「だから?」
「だから。まぁ、今回も、さ」
「けど、無限学園はまだ創立したばかりよ? 七不思議なんて出来るには早すぎるわ」
「じゃあ何だって言うんだ?」
「例えば。デスバスターズの人体実験で亡くなった子の霊とか」
「霊?」
「なによ」
「いや、君の口からそんな非科学的な言葉が出るとは思わなくてさ」
「何言ってるの。私たちの力の方が非科学的じゃない」
「まぁ、それもそう、か」
「……もしくは。ミストレス9に追いやられた土萌ほたるの心か」
「土萌ほたるの? そんなこと」
「可能かどうかは分からないわ。けど、この学園で聞く怪談話の殆どは彼女によく似た少女が出てくるわ」
「なるほど。まぁ幽霊よりはまだ信じられるかな」
「はるかっ」
「とりあえず、今は何の気配も感じないわけだから。問題の時間まで待ってみるしかないか」
「夜中まで?」
「ああ」
「二人きりで?」
「……ああ」
「そう」
「みちる?」
「と、りあえず、隠れられる場所を探しましょう。このままでは警備員に見つかって帰されてしまうわ」
「え? ああ。そうだな」
「……バカ」
(2011/12/03)
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