912.ところ変わって(蔵飛)
「……つくづく。お前は順応性が高いな」
「そうですか? 郷に入れば郷に従えってやつですよ」
「それが理解できんと言っているんだ」
「まぁ、オレは飛影みたいに頑固じゃありませんからね」
「ふん。俺はお前と違って自分を持っているだけだ」
「保っている、の間違いでしょう? 一つ綻べば今まで必死で積み上げてきたモノが総て崩れてしまいそうで怖い」
「……何が言いたい?」
「もう戦う必要なんてないんですよ」
「俺は目的があって戦っているんじゃない。血肉を見るのが好きだからだ」
「好きだと思いこんでいただけですよ。忌み子であるために」
「貴様」
「だからって何も社会で働けと言ってるわけじゃありませんよ。ただ少しは歩み寄ってもいいんじゃないかなと」
「歩み寄る? 何にだ?」
「人間界に。本当はその居心地の良さに気づいてるんでしょう?」
「……それはお前だろう?」
「ええ。そうですよ」
「…………」
「飛影?」
「うるさい」
(2011/11/30)
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